情報処理8月号がお手元に届いた頃だと思う.(前編集長からの引き継ぎに関してはっきりとした切れ目はないのだが)この号あたりから私が本格的に関与している.目ぼしいものだけひろってみる.
特集は「エネルギーの情報化」.と言っても,エネルギーを計算機処理するわけではない.電力輸送のITによる効率化を採り上げた特集だ.グリーンITというと情報機器の省エネばかりが表に立っている気がするが,ITによる省エネの方がもっと大事だし効果の範囲も大きい.
もう一つの小特集が「コンピュータ将棋の不遜な挑戦」.この「不遜」は情報処理学会からの挑戦状に対する米長日本将棋連盟会長の返答に由来している.私が委員長を務める「トッププロ棋士に勝つためのコンピュータ将棋プロジェクト」という長いプロジェクト(このプロジェクトは私と松原理事,湖東事務局長の3人が飲んでいるときに出たアイデア)がいよいよ女流棋士に挑むことになった.対戦は10月11日に東大で行われる予定.この第一戦はあっさりと勝って,最終的に羽生名人を引っ張り出すのが目標だ.
解説「崩壊する周産期医療を救うIT」もITの社会応用の一つ.今後ますます緊密になって行く医療・情報連携の一つだ.著者はこの道の第一人者である香川大の原先生.
今回から「記述の科学」という連載(3回の予定)が始まる.データをプログラムで処理するための,データ構造やプログラムの仕様の形式記述という,あまり直観的でない話題を,対話形式でわかりやすく解説(することに挑戦している力作).
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